大阪府の橋下徹知事が進める府立上方演芸資料館(ワッハ上方)の通天閣への移転をめぐり、入居するビルの所有者である吉本興業が10日、賃料など府の年間負担額を大幅に減額することを明記した橋下知事あての提案書を府に提出、現地での存続を訴えた。

 同館を運営し、移転の場合は映像や音声の資料を提供しないと表明している特定非営利活動法人(NPO法人)「ニューウエーブ大阪」も、現地存続されれば今後も資料提供を惜しまず、情報発信も強化する、とした提案書を提出した。

 府は7月、年間負担額が約4億円から1億円以下に減るとして、大阪市中央区の同館を同市浪速区の観光名所、通天閣に移転する方針を決定。吉本興業は減額後の具体的な金額を明らかにしていないが、通天閣移転案と同額に近いとみられる。

 府は近く、戦略本部会議で移転か現地存続かを決定する方針。橋下知事は10日、記者団の取材に「本当に微妙でどっちもどっちだなと思えば通天閣案。今まで通天閣にいろいろ話をしていたわけだから」と述べた。

 [2009年12月10日11時49分]ソーシャルブックマーク