舞台「ムサシ」の公開けいこが12日、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で行われた。同作品を書いた劇作家井上ひさしさんが9日に肺がんのため亡くなり(享年75)、5月から始まるロンドン、ニューヨーク公演は追悼公演となった。主演の宮本武蔵を演じる藤原竜也(27)は「劇作家として真剣に取り組む、日本の宝だと思います。元気な時に、やんちゃで良かったとムサシを楽しんで見てもらえた」と話した。台本の完成が遅く、自宅の鎌倉まで伺うと、台本ではなくコーヒーが出てきたエピソードも明かした。「次回作も、と声をかけていただいた直後ですごくショックです。ムサシで演劇界がもっと前に進めるように頑張りたい」。同作品の演出家の蜷川幸雄氏(74)は「大変な時期なのに時間調整を考え台本を細かくカットしてくれました。病院から最後の伝言で、幕開けの竹林のシーンはカットしないで、この要望は必ず守ります」と日本を代表する劇作家の遺志を世界に向けた。

 [2010年4月12日13時49分]ソーシャルブックマーク