大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)は5日、第14回「上方演芸の殿堂入り」に、落語家で人間国宝の桂米朝(84)を選出したと発表した。表彰式は8月23日、ワッハ上方で開催する。

 米朝は「噺(はなし)家で生きている間に入ったんは、私だけやとか…。何や気ぜわしいですなぁ。ま、いずれにせよ、大変光栄なことです」とのコメントを発表した。

 受賞を記念し、ワッハ上方で8月19日から11月9日まで米朝の写真などを展示する特別展を開く。9月4日と10月4日には、米朝一門による落語会を行う。

 「殿堂入り」は、上方演芸に貢献した人を毎年選出する賞。これまでは故人か、故人を含むコンビまたはグループを対象にしてきたが、3月に選考基準を改正した。

 米朝は、戦後衰退していた上方落語を再興した。廃れていた古い演目を発掘、故桂枝雀さんら多くの弟子を育てたほか、テレビ番組の司会などでも親しまれた。昨年、落語家として初めて文化勲章を受けた。

 [2010年7月5日18時48分]ソーシャルブックマーク