歌手千昌夫(64)が5日、川崎アゼリアで、新曲「いっぽんの松」の発売記念イベントを行った。デビュー46年で初めてという路上ミニライブで「千昌夫来る」の報に、同所では最高となる約2000人が集まった。

 ミニライブでは「味噌汁の詩」「北国の春」「星影のワルツ」など大ヒット曲の数々を披露。「こういう仕事をしているので、よく新築の披露で歌ってくれとかお願いされて、『すきま風』を歌った」「宝石店に招かれて『イミテイション・ゴールド』を歌った」「震災前に同窓会に行ったら、敬老会だった」など得意のジョークで会場を爆笑の渦に包んだ。

 ふるさとの岩手県陸前高田市の景勝地・高田松原には7万本の松があったが、東日本大震災の津波で根こそぎさらわれ、奇跡的に1本だけ残った。その松を歌った新曲で、千は「復興には何十年とかかる。僕が歌い続けることで震災を風化させず、みなさんに忘れずにいてほしい」と熱望した。