米俳優アレック・ボールドウィン(66)が23日、米ニューヨークのコーヒーショップで反イスラエルの活動家と口論する様子がキャッチされた。米ニューヨーク・ポスト紙によると、映画「ラスト」の撮影中に起きた銃の誤射で撮影監督が亡くなった事故で過失致死罪に問われているボールドウィンが、店内で女性から「パレスチナ解放」を訴えるよう繰り返し要求された後、「なぜ女性を殺したの?」と事件について問われたという。

「殺人を犯したのに、なぜ投獄されないの」と女性が詰め寄る場面もあったといい、店の外の階段で女性と言い争う姿を報じている。この時女性は、ボールドウィンを携帯で撮影しており、ネットに投稿された動画ではボールドウィンが携帯を手ではらいのける場面で終わっている。同紙が公開したその後も新たな写真では、ボールドウィンが女性の手から携帯をひったくり、それを使って店内から追い出そうとする様子がとらえられている。

法律の専門家は、米FOXニュースで陪審員の選出まで3カ月を切ったタイミングで起きた今回の騒動について「印象が悪い」とコメント。数週間前に撮影現場で感情をコントロールできなかったと特別検察官がボールドウィンを非難したばかりで、裁判を前に不利な立場に立たされている。

ボールドウィンは昨年12月にも、親パレスチナ派の抗議者とパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を巡って激しく口論する様子が目撃されている。

ボールドウィンは「引き金は引いていない」と無罪を主張しているが、有罪判決を受けた場合は最大で禁錮1年6カ月になる可能性があると伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)