人間国宝で歌舞伎俳優の尾上菊五郎(69)が座頭となる松竹大歌舞伎「義経千本桜」の会見が27日、都内で行われた。恒例の地方巡業だったが、昨年は大震災で中止になった。「その分も頑張りたい。来年4月にオープンする東京歌舞伎座に、地方から足を運んでもらえるようにしなければ」と気合を込めた。

 フランス人アートディレクター、ローラン・グナシア氏(44)と結婚した長女で女優寺島しのぶ(39)が妊娠4カ月で、史上初となるハーフ役者誕生の期待も高まっている。この日は9月に出産予定であることを明かし、「じじい、じじいって呼ぶな」と照れながらも「なる気があれば、どうぞおやんなさい」と心待ちにしている様子だった。

 「義経千本桜」は、義太夫狂言の名作。今回は全5段中、「鳥居前」「道行初音旅」「川連法眼館」を演じる。狐忠信を中心に、狐親子の情愛と人間への義理を描いた幻想的な物語。尾上松緑(37)と交互に演じる。6月30日の東京を皮切りに東日本19都市で46公演を行う。中村時蔵、尾上菊之助も出席した。