天皇、皇后両陛下は9日、新装開場した東京・銀座の歌舞伎座を訪れ、人間国宝の坂田藤十郎ら人気俳優が出演する「こけら落とし公演」を鑑賞された。

 両陛下は第1部の一幕と二幕を観劇。坂田は市川染五郎らとともに、昭和天皇の即位を祝って作られた舞踊「鶴寿千歳」を披露。昨年12月に亡くなった中村勘三郎さんにささげる舞踊「お祭り」には息子の勘九郎らが登場した。

 両陛下は観劇後に坂田らと懇談し「立派な劇場ができてよかったですね」「勘三郎さんがいたらどんなに喜んだでしょう」などと話したという。坂田は「歌舞伎はわが国の大事な伝統芸能だと両陛下も分かっていてくださると感じた」と感想を述べた。

 歌舞伎座では1953年に昭和天皇が初めて観劇。両陛下が即位後に訪れるのは2003年に続き2回目。