水島新司氏(74)が描く人気野球漫画「あぶさん」が来年2月5日発売のビッグコミックオリジナルで最終回を迎えることが20日、出版元の小学館から発表された。

 「あぶさん」は1973年に同誌で連載を開始。高校時代の新潟県決勝で超特大サヨナラ本塁打を放ちながら、二日酔いが発覚して甲子園出場を逃した景浦は、社会人野球も解雇されると恩師の岩田鉄五郎スカウトに誘われて南海ホークス入り。酒豪だけに持久力はないが集中力は抜群なところを見抜いた野村克也兼任監督(当時)に代打の切り札として起用されたことからスタートした。

 広瀬叔功、藤原満、江本孟紀、江夏豊ら南海ナインとのふれあい、阪急山田久志、ロッテ村田兆治、西武東尾修ら往年の名投手から、松坂大輔ら現役まで実在のプロ野球選手との対戦が描かれた。

 南海からダイエーに舞台を移してレギュラーに定着すると、45歳の91年から3年連続三冠王に輝くなど超人的活躍ぶりで、63歳まで現役を続けた。引退後は10年からソフトバンクの2軍助監督、今年は1軍助監督を務めたが、4位に沈んだ責任をとって退団した。

 小学館によると連載はこの日発売分を含めて残り4回掲載される。単行本は今月末に105集が発売され、2月末に106集、3月末の107集が発売され完結する。