NHKの籾井勝人会長は27日、就任会見で従軍慰安婦問題を「どこの国にもあった」などと発言したことについて「個人的意見としても言うべきではなかった。非常に不適当だったと思う」と述べ、発言は適切ではなかったとの認識を示した。東京都内で共同通信などの取材に答えた。

 籾井氏を会長に選出したNHK経営委員会(浜田健一郎委員長)は28日の会合で、籾井氏の発言について議論する見通しだ。

 籾井会長は取材に対し「完全に個人的意見として申し上げた」としながらも「ああいう場は初めてだったので、ルールをわきまえていなかったことは私の不徳の致すところ」と述べた。

 民主党や社民党から責任を追及する声が上がっているほか、韓国の与野党やメディアも厳しく批判しているが、籾井会長は「今からしっかり対応していく」などと述べ、引き続き会長の職務に専念する考えを示した。

 NHKの最高意思決定機関である経営委員会は定数12人で、財界人や学者、作家など各界の有識者で構成される。放送法に基づいて予算を議決するほか、会長を任命・罷免する権限を持つ。

 籾井氏は三井物産出身で、日本ユニシスの社長などを歴任。経営委は昨年12月、松本正之前会長の後任として、籾井氏を全会一致で新会長に選出していた。