昨年6月から芸能生活50周年イヤーに入っている歌手小林幸子(60)が29日、新潟県長岡市山古志地区(旧山古志村)の水田「小林幸子田」で毎年恒例の稲刈りを行った。地元などでは、幸子田が復興のシンボルと呼ばれている。

 地元の山古志村小学校の生徒23人と住民ら約30人と一緒に田んぼに入った。長靴を履いて右手に鎌を持ち、汗だくになりながら、約1時間半かけて約500平方メートルの田んぼから約300キロ(5俵)のコシヒカリを収穫した。途中では稲を刈る勢いが付きすぎて尻もちをつくシーンも。地元男性に抱き起こされながら大笑いをする、ほほえましい光景も見られた。

 来月23日で04年の中越地震からちょうど10年の節目を迎える。「新潟の人たちは本当に力強い。同じ新潟県人として私も誇りに思います。復興はまだまだ半ば。これから先も体の続く限り、田植えと稲刈りは10年20年とやっていきます」。今年の10月23日には現地で行われる追悼式にも出席する。

 5月の田植えでは、復興10年祈念曲「越後に眠る」を田んぼの真ん中で力強く歌唱した。「今年はすごい豊作。あの歌が肥料になって稲が良く育ったと言ってもらえたのよ」と笑顔で話した。

 11月17日には初の日本武道館公演を行うが、NHK紅白歌合戦で使った巨大衣装を少なくても2着以上は使用する予定だ。ニコニコ動画での生中継も決まっている。ここ数年の小林はネット界で「ラスボス」と呼ばれ、若者からの絶大な支持を集めている。50周年の節目を迎えた演歌界の女王は、歌謡界の枠を大きく超えたファン層の拡大をしている。