前作「シン・シティ」から9年-。「バットマン」シリーズや「300<スリーハンドレッド>」の原作者フランク・ミラーの伝説的グラフィック・ノベル「シン・シティ」から最も人気の高いエピソード2話と新たに書き下ろした2話で構成される「シン・シティ

 復讐の女神」が、1月10日より日本公開となる。

 欲望渦巻く罪の街で、腐敗した権力に汚されたアウトサイダーたちの壮絶な報復劇を描く本作は、前作に引き続きフランク・ミラーのコミックの世界が見事に再現されている。その再現度はキャラクターたちが身にまとう衣装にも及んでいる。今回衣装を担当したのは、「グラインドハウス」シリーズや「マチェーテ」シリーズなど今回がロドリゲス監督9作目となるニナ・プロクター。ミラー監督も彼女に全幅の信頼を寄せ、原作にとらわれない自由なデザインを勧めたという。また、「彼女のひらめきは素晴らしい。私は描きながら、登場人物の衣装イメージを膨らませていくが、彼女にはイメージを伝えるだけで、想像以上のデザインがあがってくるんだよ。」と大絶賛。

 そんなプロクターが今回特に注力したのは、本作の象徴的な2人の女性、ナンシーとエヴァの衣装だという。シン・シティの女神であるストリッパーのナンシー(ジェシカ・アルバ)の衣装についてプロクターは、「ジェシカと1カ月半ほど一緒に考えたわ。彼女がダンスシーンの使用曲を事前に教えてくれたから、感情をくみ取りやすかったわ。動きの出る衣装を何着か手がけ、そのうちの1つが、華やかに揺れる羽の付いたレザーを使用した服よ。」と説明。その他にスタッズ付きのブラトップやボンテージファッションなど身にまとうジェシカだが、その姿はまさしく“女神”と呼ばれるのも納得だ。

 男を狂わす魔性の女エヴァ(エヴァ・グリーン)の衣装については、「1940年代に流行した服には官能的な美しさが感じられて、まさにエヴァのイメージなの。ただしシン・シティは時代を超越した世界だから、それだけではダメ。原作でのエヴァの服装は独特で、私はそれを忠実に守りたかった」と説明。元恋人ドワイト(ジョシュ・ブローリン)の助けを借りようとバーに訪れるときに着ているブルーのサテンのロングコートは息をのむほどの美しさ。この美しさの前では、一度は裏切られたにも関わらず、再びエヴァのとりこになってしまうドワイトの気持ちもわかるかも。

 また、武装した非情な女たちによって秩序が保たれるシン・シティのオールド・タウンを仕切るゲイル(ロザリオ・ドーソン)の衣装については、「ゲイルが持つ女性の力強さを衣装から醸し出すことが重要なカギだと思った。役を演じるロザリオ・ドーソンは、とてもオープンで性格がゲイルそのものという感じなので、彼女にぴったりな衣装を考えるのはすごく楽しかったわ。前作同様レザー素材とスタッズ使いはしたけど、本作では少し色を加えてみたの」と解説。

 クールな映像美にスタイリッシュな衣装たちも映画の世界観を広げる要素のひとつとなっている本作。徹底的にこだわりぬかれたコスチューム・デザインにも注目だ。【ハリウッドニュース編集部】