NHKは24日、09年春から放送の連続テレビ小説「つばさ」のヒロイン役に女優多部未華子(19)を起用すると発表した。

 平成生まれの女優がヒロインを演じるのは、朝ドラ80作目で初めて。来年春の同局のフレッシュな顔として期待されるが、会見した多部に気負いはない。「印象に残る朝ドラは?」と聞かれ「ちょうど、学校に行っている時間帯なので、正直、あまり見たことはないですね」。ヒロインが地元ラジオのパーソナリティーという設定から「ラジオを聴いたことがある?」と質問されると「ほとんど聴く機会はありませんでした」と、あっけらかん。平成生まれと、大多数が昭和世代の会見場内に“温度差”が生まれた。

 もっとも、多部は主演映画「HINOKIO」などで05年度ブルーリボン新人賞を受賞し、今年はフジテレビ系「鹿男あをによし」や日本テレビ系「ヤスコとケンジ」のドラマに出演。オーディションで応募者1593人の中から選ばれたとはいえ、大舞台は既に経験済みだ。「ただただ驚いています。いろんなものを吸収し、いろんな思いや感情を届けていけたら」と初々しいところもあったが、家出した母親に代わって一家の家事全般をこなし、20歳で“おかん”と頼られるヒロインとダブるたくましさだった。

 ドラマの後藤高久・制作統括は「多部さんはかれんにしてお母さん的なバイタリティーと、大人の落ち着きがあった」と、ヒロインの大胆発言にも平静だった。