84年に亡くなった往年の大スター長谷川一夫さん(享年76)の次女で女優の長谷川稀世(62)が父の追悼本「長二郎変化」(求龍堂)を10月に出版する。
長谷川さんは天性の美ぼうで「永遠の二枚目」と言われ、亡くなった直後に芸能人初の国民栄誉賞を受けた。今年で生誕100年を迎えたが、没後24年で名前を知らない世代も増えた。稀世は「父は人生を芝居にささげた人。知らない人にはこういう人もいたという紹介、今も忘れない人には懐かしく思い出していただく縁として、父へのオマージュを込め書きました」。
芸名が「林長二郎」時代に移籍をめぐるトラブルで顔を切られ、再起不能といわれた。稀世は「父も役者はもうダメだ、一生、衣装方か床山しかできないと思ったそうです」。大スターだったが「家では普通のお父さんで、一日中テレビを見てました。そこから情報を得て、流行しているものを舞台に取り入れてました」。本では長谷川さんの死の2カ月前に亡くなった母繁さんにも触れた。「本当の役者の女房だと思います。最も長谷川を理解し、支えた人でした」。
晩年まで二枚目の代名詞だった。「永遠の二枚目と言われ、維持するのはつらかったと思います。老けに回ったり、楽な芝居もしたかったと思いますが、それを許してくれなかった。我慢強い人でした」。10月の新橋演舞場「舟木一夫公演」で父ゆかりの「鶴八鶴次郎」に出演するが、本では長谷川ファンだった舟木との対談も掲載している。




