5日に急死した俳優緒形拳(おがた・けん=本名・緒形明伸)さん(享年71)の臨終に立ち会った俳優津川雅彦(68)が7日、密葬に参列後に都内で会見し、「名優らしい見事な最期だった」と涙を浮かべながら明かした。ドラマ共演をきっかけに40年交流のある津川でも緒形さんががんだったことは、「今日中(5日)に来てくれ」と呼ばれた病院で初めて知らされた。津川は「お孫さんが来たのを見届けてから意識がなくなった。誰も傷つけず、気を使い、緒形らしい」と振り返った。

 午後11時ごろ、薬を投与しても反応がなく危険な状態を察知した。それまでは、「お前、体大事にしろよ。治ったらウナギを食いに行こうな。白焼きでな」と和やかに会話していた。これが緒形さんが津川に語った最後の言葉になった。「今、思うと、自分の最期を知っていたような気がする。最期まで1人で闘った。モンスターですね」と声を詰まらせた。

 亡くなる10分前には、目を見開いたという。「歌舞伎役者のように、虚空をにらみつけていた。その10分間に執念と覚悟を感じた。かっこいい立派な最期だった。最期まで闘って燃え尽きた。役者として見事だった」と語った。