5億円の詐欺容疑で大阪地検特捜部に逮捕された音楽プロデューサー小室哲哉容疑者(49)らが、文化庁の著作権登録制度を悪用していた疑いが6日、浮かび上がった。出版社から「二重譲渡だ」と指摘されると「何かの間違いだ」と答えたという。
特捜部は、小室容疑者らが所有権の優先順位が高い文化庁の登録制度を悪用。著作権を支配しているように装って、兵庫県の投資家男性らに譲渡話を持ち掛けた疑いがあるとみて調べている。
文化庁の著作権登録原簿などによると、小室容疑者は806曲の著作権を音楽出版社に譲渡していたが、34曲分は、自ら役員を務める2社への登録を文化庁に申請した。時期は04年10月と05年7月。4年前から二重譲渡を画策していた疑いが浮上する。34曲は「CAN
YOU
CELEBRATE?」や「DEPARTURES」など、大半が90年代の大ヒット曲でミリオンセラーばかりだった。投資家男性と仮契約を結んだ06年8月時点では、26曲が登録ずみ。「文化庁への登録」を口説き文句にして、投資家男性を安心させた疑いもあるという。
昨年末、音楽出版社のうち1社が、日本音楽著作権協会(JASRAC)からの連絡で二重譲渡を把握した。今年7月に小室容疑者を問い詰めると「何かの間違いだと思う」と抹消を約束したが、実行はされなかった。
文化庁の著作権登録制度は二重譲渡などのトラブルを防ぐために設けられた。しかし、文化庁も「真の著作権の所有者を調べる権限はない」と実効性の弱さを認めており、小室容疑者らはそんな盲点を調べ上げ、自分が著作権を支配しているようにみせかけたとみられている。




