宮崎あおい(23)が主演したNHK大河ドラマ「篤姫」が14日に物語を終えた。最終回の平均視聴率が15日に発表され、関東地区で28・7%(関西地区26・2%)を記録した。全50回の平均は、24・5%(同23・1%)となり、21世紀に入ってからの同ドラマで最高を記録。各地で「篤姫効果」「あおい効果」が広がった1年だった。(視聴率はビデオリサーチ調べ)

 「篤姫」が、21世紀の大河ドラマの常識を変えた。00年以降、全50回を通じた期間平均視聴率は、松嶋菜々子(35)唐沢寿明(45)反町隆史(34)らが出演した02年「利家とまつ・加賀百万石物語」の22・1%(関西22・5%)が最高だった。今はドラマ低迷期と言われ、平均視聴率が20%の壁を破ることは容易ではない時代。民放でも15%を超えたら人気番組と言われる。視聴率女王と呼ばれた仲間由紀恵(29)主演の「功名が辻」は20・9%(関西19・3%)と大台を記録したが、他の6作は10%台にとどまっていた。「篤姫」は97年の「毛利元就」の23・4%を超え、ここ12年でも最高の数字を記録した。

 NHKは「『幕末ホームドラマ』と称し、ヒロイン篤姫とその家族の心の触れ合いを軸にした作品が、ともすれば、難しくなりがちな今までの幕末大河ドラマと一線を画すものとなった」と高視聴率の要因を分析している。視聴者からは「分かりやすい」「親しみを持てる」「毎回、感動できる」という声が多数寄せられたという。「史実と違う」の声もあったが、20代の女性からこれまでの約2倍の高い支持を得るなど、視聴層に変化が生まれた。

 これまで、史実を忠実に描くと、若い視聴者から苦手意識を持たれた。若者の支持を得るため人気タレントに頼ると、高年齢層の視聴者が離れていった。宮崎は06年の連続テレビ小説「純情きらり」に主演。お茶の間に「朝ドラ」の印象がまだ濃く残り、映画を中心に若者にも人気のある存在感は幅広い層に受けた。分かりやすく、幅広く。NHKの狙いが、視聴率に反映した。