落語家立川談志(73)が声門がんを克服していたことが6日、分かった。声門がんは喉頭(こうとう)がんの一種で、声帯にがんが発生する。喉頭がん全体の6割を占めるが、治癒率は高いという。

 談志は昨年春から声が出にくく、かすれて聞き取りづらい状態が続いていた。9月にのどの組織の検査手術を受けたところ、このままだとがんになる可能性がある初期的な症状が見られ、投薬治療などを行った。その後、精密検査の結果、声門がんと診断されたという。1カ月半にわたり、毎週月曜から金曜まで都内の病院に通院しながら28回もの放射線治療を受けた。治療後の経過は順調で、声も以前のような張りを取り戻した。

 東京MXテレビのレギュラー番組を休止。落語会などの仕事をセーブしていたが、今月23日の談志一門会に今年初めて出演するほか、4月18日には東京・よみうりホールで談志が熱望していた独演会を久しぶりに開催する。また、談志流の落語論を展開した「現代落語論」(65年)、続編といえる「あなたも落語家になれる」(85年)に続き、談志が「最後の落語論」と話す最新本の執筆にも入っている。

 談志は97年に食道がんの摘出手術を受け、98年と03年にも食道がんの手術を受けている。今回、声門がんにも打ち勝った談志の復活ぶりが注目される。

 [2009年2月7日7時7分

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