石原裕次郎さん(享年52)の二十三回忌法要イベント(7月5日)で東京・国立競技場に建てる菩提(ぼだい)寺の横浜市・総持寺を実寸大で再現した拝殿が3日、つくば市の熊谷組技術研究所で公開された。耐水性などを事前にチェックするため同研究所内に仮組みした。約3000のパーツからなる組み立て式で、大型トラックのべ500台を使って国立競技場に運ばれる。

 石原プロの“本気”に報道陣も圧倒された。石原プロが「裕次郎寺」と呼ぶ鉄骨製の拝殿は、5階建てマンションに相当する高さ17メートルで遠方からも見える。実寸大でそびえ立つ姿は間近で見ると圧巻だ。裕次郎さん製作・主演映画「黒部の太陽」から縁深いゼネコン熊谷組が手掛けた本格仕様に報道関係者からも「おぉ」と驚きの声が上がった。それでも、法要の陣頭指揮を執り、国立競技場に寺を建立する仰天計画の発案者、石原プロ小林正彦専務(73)は「もう少し予算があればもっと大きなものを造れたのに」と悔しがり、関係者をあぜんとさせた。舘ひろし(59)も「身内としてもう付いていけない」と言葉を失いかけていた。

 耐水性チェックの実験も行った。裕次郎さん死去後の行事は必ずといっていいほど雨が降るため、必要不可欠な実験だった。ヘルメット姿の舘の合図で高所クレーン車など8カ所から一気に約20トンに及ぶ水が屋根に放たれた。実験は1日あたり1000ミリの集中豪雨を想定。舘は、ずぶぬれになりながら拝殿内まで駆け寄り、「まったく水は漏れてこない。心配ないね」と突撃リポートまでしてみせた。気象庁によると観測史上、1日の最高降水量は844ミリ。新記録の雨が降っても、裕次郎寺は雨漏りしない。

 木立に囲まれた研究所に突如出現した拝殿。事情を知らない近隣住民から「新しくお寺が建ったのですか」「宗派は何?」など問い合わせも届いた。最寄り駅からタクシーで乗りつけ見学する人もいたという。

 法要当日1週間前から国立競技場を借り切っているが、作業は安全と迅速さが大前提。屋根、壁など各部分を約3000のパーツに分けて組み立てる工法を選択した。発注を受けた当初、担当者が絶句したという熊谷組も「24時間態勢を敷き、3日半で完成させます」と士気が高まっていた。

 [2009年6月4日8時14分

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