NHKは13日、一連の不祥事で退職金の支払いを凍結していた海老沢勝二元会長(75)について、会長在任期間の退職金は支給しないと発表した。福地茂雄会長ら執行部が同日提案し、経営委員会が議決した。会長を除く役員時代については規定通り支給。海老沢元会長の本来の退職金は総額約9500万円だが、会長就任以前の副会長、理事時代についての3146万円のみが支給される。

 NHK内でずっとくすぶっていた懸案の退職金問題が5年越しで決着した。

 海老沢元会長は05年1月、番組制作費着服などの不祥事が招いた受信料不払い急増の責任をとって辞任した。だが、すんなりと辞めたのではなく、追い込まれての辞任だった。

 海老沢元会長は不祥事の責任を問われ、04年9月に衆院総務委員会に参考人聴取された。しかし、この審議を生中継しなかったことなどで、視聴者に不信感が急増。受信料の支払い拒否や保留が増えNHKは厳しい財政難に直面した。そのため職員の賃金カットや番組制作費削減を検討。その中で、当時1億2000万円とも言われた海老沢元会長の退職金を巡って視聴者からの批判や抗議が相次いだため、支払いが凍結されていた。

 記者会見した福地会長は、会長任期分を不支給とした理由を「NHKの執行権限は会長職に集中しており、就任中の全期間について経営責任を負うべきだと考えた」と説明。この時期の判断について「受信料収入が(不祥事前の)水準まで回復するめどがついた」と述べ「タイミング、考え方ともに(視聴者に)十分理解が得られると思う」と強調した。同席した小丸成洋経営委員長は、会長在任全期間の100%減額について「視聴者に納得してもらわなくてはならないという視点で議論した。会長の責任は極めて大きいと判断した」。

 また、記者らによる株のインサイダー取引事件で08年1月に辞任した橋本元一前会長についても、総額約3400万円から会長在任期間を除き1181万円に減額して支給する。

 このほか、永井多恵子前副会長ら6人には、役員の在任期間分から15~50%を減額して支払う。支給総額は6人合計で7369万円という。

 [2009年10月14日6時38分

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