日本が1次リーグE組2位で決勝T進出を決め、TBSが初めてW杯の日本戦を放送することが25日決まった。昨年12月の民放各局によるW杯放送権の抽選会で3番くじを引いたフジテレビが同カードを回避し、4番くじのTBSが放送権を獲得していた。同局は02年日韓大会、06年ドイツ大会とも決勝Tの放送権を持ちながら、日本戦を放送できずにいた。そして今回、フジと岡田ジャパンのおかげで「三度目の正直」で悲願を達成した。

 25日未明、東京・赤坂の同局内に設置された大型テレビの前に社員約80人が集った。青木裕子アナウンサー(27)枡田絵理奈アナウンサー(24)の姿もあった。前半17分、本田が先制ゴールを決めるや、社員は総立ち、歓喜にわいた。一方で、遠藤が2点目を決め、同時進行のオランダ-カメルーン戦が同点の状況を知った社員からは「これ以上日本が点を取って、オランダが負けたら1位通過になっちゃう。ヤバイよ」と放送権を気にかける声も漏れ始めた。

 しかし、1位を走っていたオランダはカメルーンを2-1で破り、日本の2位通過というTBSの願いがかなった。既に南アフリカ入りしている名鏡康夫プロデューサーは「日本を信じてよかった。正直、カメルーン戦までは1次予選突破の期待は薄かったのですが…宝くじが当たりました」と本音で喜びを口にした。取材態勢は12人から約30人に増員。うち数人がこの日、日本を飛び立った。

 [2010年6月26日8時38分

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