歌舞伎俳優市川海老蔵(33)が団十郎家の慣例となっている大みそかの成田山詣でを行わないことが17日、分かった。海老蔵が無期限謹慎中であることや、10月に海老蔵の母方の祖母が亡くなったこともあり、団十郎家として中止を決めたとみられる。

 千葉県成田市の成田山新勝寺と団十郎家の関係は江戸時代の初代団十郎にさかのぼる。子宝に恵まれなかった初代が成田不動明王に念じたところ2代目が生まれ、不動明王の熱烈な信者となった。屋号「成田屋」も同寺に由来。2代目、3代目も熱心な信者で、庶民の間に成田不動信仰が広がり、7代目は1000両を投じて額堂を寄進した。

 以降、団十郎家は大みそかに成田山新勝寺に参拝するのが慣例となり、襲名時には参道をお練りし、節目節目で参拝してきた。7月には新婚の海老蔵と小林麻央(28)が結婚奉告し、結婚式には式場まで不動明王が出開帳した。今年の大みそかに参拝する予定で、麻央がレギュラー司会を務めるフジテレビ系スペシャル番組「奇跡体験!アンビリバボー」の大みそか生放送は姉の小林麻耶(31)がピンチヒッターを務めることが決まっていた。

 しかし、暴行事件が300年を超える慣例を破る事態を招いた。無期限謹慎中の海老蔵が成田山に行けば、マスコミが大挙押し寄せて混乱することが予想され、10月に母希実子さんの母が亡くなったこともあって、団十郎家としての成田山詣での中止を決めたようだ。

 成田山新勝寺は「まだ(団十郎家から)連絡はありませんが、今年の大みそかにはおいでにならないと思います」と話している。

 [2010年12月18日7時55分

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