5日に風邪でダウンしていたサザンオールスターズ桑田佳祐(54)が19日、故郷の神奈川・茅ケ崎市民文化会館で行われた新アルバム試聴会で再復活した。昨年8月に食道がんの手術を受け、2月1日の福岡で212日ぶりにファンの前に姿を見せたが、その後は風邪で休養していた。故郷のファンの声援を励みに2週間でカムバック。がん手術後、初めて故郷のステージに立った桑田は「生きたまま、茅ケ崎の土を踏むことができました」と感謝した。

 桑田が故郷のステージに戻ってきた。5日に風邪でダウンし、医師から2週間の休養を告げられていたが、故郷である茅ケ崎市民文化会館のステージにサプライズ出演し再び復活を果たした。この日は新アルバム「MUSICMAN」(23日発売)の全国試聴会最終日。桑田が茅ケ崎でライブを行うのは2000年以来で、実に10年半ぶりとなった。

 司会者が「偶然、この辺りを通りかかった、茅ケ崎が生んだ『あそこが若大将』という方が来て下さっています」と呼び込むと、1500人のファンが一斉に立ち上がった。ファンからの花束を抱き締めた桑田は「明日晴れるかな」を歌いながら2度、客席にひざまずいて頭を下げた。

 「ただいま、でございます。茅ケ崎文化会館は30年ぶりです。ふとした病、食道がんをやってしまいまして…。どうなるかと思いましたが、生きたまま茅ケ崎の土を踏むことができました」とあいさつ。さらに「もうちょっと遅かったら、変わり果てた姿で帰ってきたかもしれない」と本音ももらした。「『桑田、お帰り』と言ってくれる故郷があって、本当によかった。エネルギーを感じて、どんどん元気になっていく感じです」と続けた。

 「悲しい気持ち(JUST

 A

 MAN

 IN

 LOVE)」「本当は怖い愛とロマンス」のほか、茅ケ崎を歌った「MY

 LITTLE

 HOMETOWN」の4曲を披露。地元のみこしも登場する派手な演出もファンをわかせた。かつて通った書店で立ち読みをし、店の人にはたきをかけられた思い出話も披露した。「懐かしいなあ。茅ケ崎は烏帽子(えぼし)岩、富士山、江の島が見えて。何となくボーッと育つんですよ。環境もいいしね、発言も軽くなる」とギャグを飛ばし「皆さん、茅ケ崎に住みましょう」とアピールした。

 約40分のステージを繰り広げ「これからも、ゆっくりやります。どうなるか分かりませんが、ライブに向けた気持ちは前進しています。またすぐに、お会いできると思います。帰ってきます。行ってきます」と宣言。最後は「皆さん、健診に行ってください」と呼びかけた。【岩田千代巳】