テレビ朝日系連続ドラマ「新・警視庁捜査一課9係season3」(水曜午後9時)が今日14日、最終回を迎える。前回までの平均視聴率は15・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、7月スタートの連続ドラマではトップの数字をキープ。前回7日放送はシリーズ最高の17・0%をマークした。最終回は子供の誘拐事件を9係が捜査していくうちに、事件の意外な背景が明らかになる。井ノ原快彦(35)は「最終回だけ見ても楽しめるはず」とアピールした。

 「新・警視庁捜査一課9係」(新9係)は最終回の放送を前に、このほど東京都練馬区の東映東京撮影所でクランクアップした。係長役の渡瀬恒彦(67)が最後の出番を終えると監督から花束が贈られ、9係メンバーから一斉に拍手が上がった。

 渡瀬が「短かったね」と言うと、井ノ原が「いつクランクインしたか分からないほど、自然に現場に入っていました。本当にあっという間でしたね」と笑顔で応じた。

 ドラマは「警視庁捜査一課9係」時代から数えて6シーズン目。渡瀬をはじめメンバーたちの結束は固い。田口浩正(43)は「終わると思うと寂しくて…。オンエアされなくてもいいから撮影だけやりたい」と笑わせた。クランクアップには、同局「やじうまテレビ!」の松尾由美子アナも駆けつけた。

 松本基弘プロデューサーは「このドラマの狙いは刑事ドラマとホームドラマの融合。いわば刑事版『ER』を目指していたんですが、事件の部分とホームドラマの部分のバランスがなかなか難しかった。今回のシーズン3で、やっとバランスが取れてきたと思います」と、視聴率好調の理由について分析した。

 最終回は、浅輪刑事(井ノ原)の同期の元警察官・一条(真島秀和)の息子が誘拐される。一条は警察を退職後、ライフル国際大会で優勝したこともあった。犯人は一条の狙撃の腕を知っていて「暴力団幹部を撃て」とメールで要求する。一条は狙撃に失敗、すると犯人は「主婦を撃て」と要求を変える。暴力団幹部と主婦に接点はない。犯人像が絞り込めず捜査は難航する。

 そんなとき、係長の倫太郎(渡瀬)は、浅輪から聞いた話にひらめく。一条は2年前、消費者金融の立てこもり事件で単独で現場に突入。犯人は部屋にまいたガソリンに火を付け、人質は女性1人だけが助かった。一条は単独行動を批判され、警察を辞める。この事件が今回の誘拐事件と関連していると推測した倫太郎は、助かった人質の真由実(中山忍)に話を聴く。

 そこからの展開はスリリング。謎解きの醍醐味(だいごみ)が味わえる本格ミステリーの趣だ。井ノ原は「9係が緊迫感に包まれます。最終回だけ見ても楽しめるはず」と話した。

 シーズンを追うごとに人気をアップさせている「新9係」。同局の看板刑事ドラマ「相棒」のように、大きく羽ばたきつつあるようだ。