【香港30日=近藤由美子】ニコニコ動画からブレークした歌手ピコ(年齢非公表)が、アジア最大級のアニメフェス「第14回ACG(アニメ漫画ゲーム展)HK

 2012」にメーンアクトとして出演した。香港ACGは過去にPUFFY、AKB48、中川翔子らが出演した人気フェス。今年は5日間で約70万人を動員し、ライブステージには約5000人が集まった。

 トリを飾ったピコは新曲「Make

 My

 Day!」(来月15日発売)など4曲を披露。思い思いのコスプレ姿の観客から大歓声を受け、「すごいね。みんな。うわー!」と目を丸くした。

 ピコは男性歌手だが幅広い音域を歌いこなし、男女の声を持つ「両声類」の異名を持つ。アニメキャラのような端正なルックスの一方で、ツイッターなどでファンとの距離を縮めるギャップで人気急上昇中。「ステージの外でも変わらないのが、親近感につながっているのかな」。香港やマカオ各地で、ピコのつぶやきを見たファンに囲まれた。

 「両声類」、アニメキャラのようなルックス、おっとりした性格、身近さがセットの歌手はアジアでは珍しく、さまざまな国、地域にファンを広げている。香港には初上陸だったが、関心度が高く、この日だけでも新聞、雑誌計15社のインタビューを受けた。

 ステージから、9月2日のシンガポールアニメイベント出演、同28日に香港初単独公演などを発表。「また絶対に来るね」と再訪を確約した。「アジアを中心に世界に発信していきたいです。関西人だから笑いを取りたいので体を張ったバラエティーにも出たいし、稲川淳二さんが好きなので怪談方面もいろいろやりたい。歌手以外の活動も広げたいです」。個性的な“両声類歌手”が走り始めた。

 ◆PIKO(ピコ)年齢非公表。兵庫県生まれ。ニコニコ動画を中心に2800万回の再生数で話題になり、10年10月「Story」でメジャーデビュー。3枚目シングル「桜音」はオリコン週間ランキングトップ10入り。4オクターブの声域を持ち、男性と女性の声を使いこなすことから「両声類」と呼ばれる。今月中旬に、初の海外単独公演となる台湾公演を開催。