ポルノグラフィティが8日、13周年を飾るデビュー記念日に沖縄・宜野湾海浜公園野外劇場で全国ツアー沖縄公演を行った。

 ライブは強い日差しが残る夕暮れ時に始まった。ボーカル岡野昭仁(37)は気持ち良さそうに、客席に勢いよく水をまいた。

 沖縄公演は4回目だが屋外は05年の同所公演以来。ギター新藤晴一(37)は「7年前の沖縄野外ライブでは浮かれすぎて飲みすぎ、お金を使いすぎて、怒ったマネジャーに沖縄禁止令を出されました」とほろ苦い思い出を披露。「浮かれちゃいますよね」と言いながら「今日という日に乾杯!」。“エアグラス”で3500人と乾杯した。

 演出は沖縄仕様に変えた。公演名は沖縄名物ラフテーに絡めた「2012ポルノグラフテー」。開催中の沖縄夏の風物詩、「沖縄全島エイサー祭り」に合わせ太鼓を持ったエイサーの踊り子30人が登場し、ヒット曲「アゲハ蝶」などを披露する一幕もあった。

 長年支える仲間に感謝し、記念日を祝った。公演前、13周年を祝うケーキをスタッフ全員で囲んだ。結束を固め臨んだ記念ステージだった。

 見せ場は最後まで続いた。アンコールで新曲「カゲボウシ」(19日発売)を披露後、新藤が「(デビュー曲の)『アポロ』を練習してくるのを忘れた。うっかりしてた」。岡野が「それ言う?」と苦笑いしながら歌い始めると大歓声が上がった。「突然でびっくりしたよ。でも自分たちのデビュー曲。サプライズでもできるんです」。同曲演奏に必要な機材もなく、リハーサルなしのぶっつけ本番だったが、完璧に歌ってみせた。

 「音楽の原点に立ち戻って、理屈じゃなく、わしづかみにされる音楽やライブをしっかり届けていきます」。充足感あふれる表情で記念日を祝う打ち上げ花火を見つめていた。【近藤由美子】