演歌歌手細川たかし(62)が23日、低迷する日本音楽業界への問題提起と改善策を語った。この日発売の新曲「屋久島」にちなみ、世界自然遺産の鹿児島・屋久島でコンサートを開催。「僕らもテレビ歌番組も変わらないと」と訴えた。

 標高1000メートルの山中を、冷たい雨に打たれながらスタスタと歩を進めた。2度目の屋久島訪問。巨大な千年杉にたどり着くと、幹をなでながら「樹齢1000年で、やっと屋久杉と呼ばれるんだよ。この世界遺産の雄大さを歌ってみたかったんだ」と、悠久の時に思いをはせた。壮大な自然に感化されて、細川の秘めた思いが爆発した。

 「NHK紅白で、ももいろクローバーZと一緒に歌った。若い演出チームが工夫したいい企画だった。(邦楽は)区別をつけすぎるから、全世代に広がらないんだ」「(テレビ朝日系)ミュージックステーションは若い人ばかりでNHK歌謡コンサートはベテランばかり。それぞれ1組は、出演者を入れ替えた方がいい。歌謡界が元気だった時代は、中森明菜と演歌歌手が、毎週一緒の歌番組に出ていたもんだ」

 今作は、屋久島の世界遺産登録20周年記念の島おこし曲でありながら、そんな業界へのカンフル剤の思いも込めている。作曲は東方神起の楽曲や山下智久らの作詞作曲をしてきた井上慎二郎氏(45)。作詞は東方神起やSMAP、水樹奈々らに曲提供してきたおのりく氏(37)が手掛けた。「北海道の細川が、南の島の歌を歌うのも初めて。新しい僕を見せて、ぜひ流行歌にしていきたい」。握りこぶしは力強かった。【瀬津真也】