演歌歌手の中村美律子(62)と、昨年から歌手活動を再開した大相撲の増位山太志郎こと三保ケ関親方(64)が、新曲「夢の花

 咲かそう」を今日13日、そろってリリースする。男女別々の歌手が同一曲を同日にシングルリリースするのは日本歌謡界史上初で、中村がキングレコード、増位山がテイチクエンタテインメントから。前日12日にはリリースを記念し、「夢の花」で品種登録出願をされた新種のダリアの栽培地、秋田・横手市を2人で表敬訪問。合同の新曲PRイベントを開催した。

 3メートル以上も積もった真っ白の雪景色の中で、ピンクも鮮やかなダリアを手にした中村は「夢の花を全国に広めたい」と笑顔を見せた。増位山は「大好きだった女性にフラれた横手に43年ぶりに戻ってきた。まさに夢の花が咲いた瞬間だよ」と感慨深げに語った。

 これまでも、男女が同一曲をヒットさせたケースはある。「氷雨」は、77年に佳山明生がリリースした5年後に、日野美歌がリメーク。結果的に双方で大ヒットした。細川たかしの日本レコード大賞受賞曲「矢切の渡し」(83年)も、1年前のちあきなおみがオリジナルだった。だが、同一曲が同時に発売されるのは初めて。2人の所属事務所関係者は「長く歌い継がれる名曲と確信したから、大勝負に出ました。しかも、男女どちらにも歌える曲に仕上がったので、思い切って同日発売にしました」と説明した。

 久々に年配層がカラオケで楽しめるヒット歌謡曲の誕生になるか?

 中村は「歌手として年末にこの歌で終わりたい」と、早くもNHK紅白歌合戦を見据え、増位山は「力士がこの歌を聴いて、少しでも励まされて、きついけいこも我慢してやってくれればいいなと。人生の応援歌ですから」と、力強くこぶしを握った。【瀬津真也】