元シブがき隊でタレントの布川敏和(47)が危機一髪の列車接触事故に巻き込まれていたことが13日、分かった。12日午後10時56分ごろ、東京都大田区下丸子3丁目の東急多摩川線の遮断機の下りた踏切内に布川らが乗ったタクシーが進入し、蒲田発多摩川行きの列車に接触した。後部座席に座っていた布川と40代の女性が首に、30代の女性が腰にそれぞれ軽いけがをした。運転手の50代男性と列車の乗客約300人にけがはなかった。

 布川はこの日、テレビ朝日などの電話取材に事故状況を「衝撃はかなりやばかった。1秒でも早く突っ込んでいたら真横から電車がどーんと来て、かなりやばい状況だったと思う」と説明。さらに「踏切の向こうで見ていた人は『死んだと思った』と大騒ぎになっていた」と話した。

 また、踏切近くのトレーニングジム店員は日刊スポーツの取材に「大きな衝撃音が聞こえ店を出ると、事故車が自力でバックし、踏切内から出ていた。男性(布川)が『女性2人が痛んでいる』と携帯電話で冷静に救急車を呼んでいた」と事故の直後を振り返った。警視庁池上署によると、現場は東急多摩川線と片側1車線の都道の踏切で、事故当時、遮断機は下りていたという。遮断管は樹脂性で弾力があり、車が遮断管を曲げながら進入した可能性がある。列車は3両編成の普通列車で、タクシーは右方向から来た3両編成の列車の1両目側面にぶつかり、ボンネット部分がつぶれた。遮断機は下りていたが、タクシー運転手の男性は「標識を見ていて気付かなかった」と供述。同署は自動車運転過失傷害の疑いもあるとみて、調べている。

 東急電鉄によると、事故により、多摩川線は上下20本が運休。約1時間半後に運転を再開したが、約4900人に影響がでた。電車1両の長さは約18メートルで、先頭車両の後部左側が損傷しているという。