放送作家でタレントの永六輔(80)が日本テレビ系旅番組「遠くへ行きたい」(日曜午前5時半)に7年ぶりに出演する。京都を旅した。数年前からパーキンソン病と前立腺がんと闘っており、ロケは車いすで行い、僧侶の瀬戸内寂聴さんら多くの友人と再会した。

 若いころから1年の半分以上は旅をしてきた。43年前の同番組初回の旅人も永だった。78回の出演は、故渡辺文雄さんに次ぐ。闘病で旅の機会は減ったが、今回は自分で提案した。「プロデューサーに車いすだからこそできる旅があると言われてグッときた。会いたい人がたくさんいる京都に来たかった」と話した。

 初日、45年来の友人、寂聴さんを訪ねた。法話を聞こうと集まった200人を前に永も話をした。故小沢昭一さんとの逸話や病気も明るく話した。「僕はパーキンソンのキーパーソン。治らないけど悪くならないので医者も注目してます」と笑わせた。3日間過ごした京都では寺を訪ねたり、仕事で縁のあった人たちとトークライブも行った。「車いすだと子供の目線に戻る。車いすの旅番組って初めてかも」。

 最近は病状も安定し、沖縄や東日本大震災の被災地を訪ねた。今後は福井県や鳥取県米子市を訪ねたいという。今後も精力的に旅するつもりだ。番組は7月21日放送。【小林千穂】