ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(81)が作・構成・演出を手掛けるミュージカル「ジャニーズ2020(トニトニ)ワールド」(東京・帝国劇場、12月7日開幕)の制作発表が28日、都内で行われた。日本の素晴らしさや平和を伝える作品で、今後毎年上演されることが内定。20年東京五輪開催決定で増加が見込まれる海外や地方からの観客を、同舞台で魅了するつもりだ。

 「ジャニーズ・ワールド」は、ジャニー氏のギネス記録認定記念作として昨年初演された。今年は題名に「2020(トニトニ)」を加え、20年東京五輪を見据え、スケールアップ。内容も20年を意識したものになる。20年を軸にその前後を描き、若者の未来と平和を題材にする。ジャニー氏は制作発表後、「世界から愛される日本になってほしい。若い子ならできる」と意図を説明した。

 東京五輪開催が決まる半年前、同氏は20年を見据えていた。約20人のユニット2組で構成するTwenty・Twenty結成を発表。20年のCDデビューを目指し、メンバーの入れ替えを行いながらスターに育成する方針を打ち出していた。今回の舞台で同ユニットのメンバーをあらためて選び、本格始動させる。A.B.C-Z河合郁人(25)は「一緒に盛り上げていきたい。負けないようにしないと」。

 出演者は五輪を意識している。アクロバットを得意とするA.B.C-Z塚田僚一(26)は「目指せ内村(航平)選手、加藤(凌平)選手、塚田僚一!」と五輪代表選手にライバル心を抱きつつ、「平行棒の上に鉄棒を並べて技を披露したい」と演出プランも明かした。ジャニー氏は「2020年にふさわしいものを、じっくりと作っていかないといけない。それ以降もエンドレスでね」と毎年開催に意欲を示すと、東宝側も快諾。同氏はさらに「4つ目のギネス記録として、『世界一年寄りのプロデューサー』なんて、いいんじゃないですか」と意欲を見せた。

 昨年は、海外から来場するファンのための座席を設けたが、今年以降も同様に確保する予定だ。同氏は「興行界も、おもてなしが必要」と強調すると、A.B.C-Z橋本良亮(20)が「世界に通じる舞台で、ぜひ海外の方もおもてなしをしたい」と続いた。【近藤由美子】