テレビ朝日がついにビッグタイトルをつかんだ。2013年の年間視聴率(12年12月31日~13年12月29日、ビデオリサーチ調べ)が30日、明らかになり、同局が初の2冠を達成した。ゴールデンタイム(午後7~10時)で開局以来初のトップを獲得し、プライムタイム(午後7~11時)も昨年に続き1位を死守。全日(午前6時~深夜0時)は3年連続で日テレが制し、テレビ視聴率はテレ朝、日テレの2強時代が到来した。

 1年かけて繰り広げられた視聴率レースのデッドヒートを制したのはテレビ朝日だった。プライムが日テレに0・4ポイントの大差をつけて2年連続で1位を獲得。ゴールデントップの行方は最終週までもつれ込んだが、0・1ポイント差でテレ朝が逃げ切った。

 同局に朗報をもたらしたのは“総合力”だった。ドラマでは「相棒」「科捜研の女」などおなじみの作品のほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」が平均23・0%、「DOCTORS2

 最強の名医」も平均18・3%の好数字をマーク。刑事ドラマに加え、医療ドラマという2本柱を確立した。バラエティーでも「お試しかっ!」「Qさま!!」「ミラクル9」などレギュラー番組が好調を維持し、「報道ステーション」「スーパーJチャンネル」などの報道番組も安定的に高い数字を稼ぎ出した。

 スポーツ番組でもW杯アジア最終予選の日本-オーストラリア戦(6月4日放送)が38・6%をたたき出したのをはじめ、WBC、フィギュアスケートが高視聴率を連発。日本シリーズも1、2、7戦を放送し、いずれも20%を超えた。サッカー、プロ野球、フィギュアとも低迷期も放送し、スポーツ界に貢献し続けたことが結実した形だ。

 同局は昨年初めてプライムトップを獲得し、今年はプライムに加えゴールデントップが重要課題だった。社員は平日の朝、視聴率が発表される時間帯には出社。数字への強い意識を持ち、全社一丸となって臨んだことが好結果を生んだ。

 一方、日テレも12月に「踊る!さんま御殿!!」「ぐるナイ」などの人気バラエティーや、クリスマス恒例の「さんま&SMAP」など特別番組をそろえて対抗。月間3冠を獲得して追い上げたが届かなかった。朝、昼の時間帯に強い同局は全日の1冠にとどまった。

 03年まで視聴率4位が指定席だったテレ朝だが、この10年で2強の一角に大躍進。初の2冠ホルダーとして来年2月1日に開局55年を迎える。