覚せい剤取締法違反(所持と使用)などの罪で起訴されたCHAGE

 and

 ASKAのASKA(本名・宮崎重明)被告(56)が3日午後4時53分、保釈された。保釈保証金700万円を納付。5月17日の逮捕から48日で勾留が解かれたが、一礼したのみでファンに向けた直接の謝罪コメントはなかった。初公判は8月28日、東京地裁で開かれる。

 ASKA被告は無数のフラッシュを浴びながら、歩を進めた。濃紺のスーツにネクタイ、黒縁のメガネをし、少しやつれた表情。ひげはきれいにそられていた。上空にヘリコプター4機が飛び、300人以上の報道陣、約50人のファンが見守る中、東京湾岸署を背に6秒ほど頭を下げ、1度顔を上げたが、再び頭を下げた。頭を下げている瞬間以外は、両拳を握り締めてた。緊張は伝わってきた。だが、謝罪の言葉は発しなかった。「ASKAさま~」「ご飯

 食べてね~」の声も飛んだが、無反応で車に乗り込んだ。

 2009年9月に、同様の罪で同じ東京湾岸署に勾留され、保釈された酒井法子(当時38)は一礼の上、「本当にこのたびは申し訳ありませんでした」などとあいさつし、会見も開いた。一方でASKA被告は、コメントをつづった書面を報道各社に送付するにとどめた。「これまで私の音楽を聞いてくださったファンの皆さま、関係者の皆さまに、ご迷惑とご心配をおかけしましたことについて心よりおわび申し上げます」。2度と同じ過ちをしないこと、決意をさらに強くするために、裁判まで医師の指導を受けることなどを報告した。だが、肝心なファンにウソをついたことに関する謝罪はなかった。

 昨年8月、週刊文春に薬物使用疑惑が報じられた。その際、ASKA被告はファンに向けて「違法なことは一切やっていませんし、あのような言動、行動に関しましても、一切ありません」「この悔しさは、音楽で取り払ってみせると決心いたしました」とする声明を出した。しかしながら、今年5月17日に知人女性、栩内(とちない)香澄美被告(37)の自宅マンション(東京・港区)で覚せい剤を所持した疑いなどで逮捕。6日後、「眠気をとって集中するため、覚せい剤を使った」「2、3年前からで暴力団などから入手した」などと使用を認めた。

 この日、群馬県から同署に駆けつけた女性ファンは、ASKA被告が肉声を発しなかったことを残念がった。「体裁を整えるだけの感じのお辞儀だし、逃げるように車に乗っていった。本当に反省しているのか疑問です」。都内在住の女性ファンは「逮捕されてからはだまされた気分でした。『ウソでしょ!?』という感じでした」とこれまでの心情を明かした。

 それでも、復帰を望むファンは多かった。「早く立ち直って、またよい作品を作ってほしい」「再びCHAGE

 and

 ASKAの2人で歌う姿を見たい」。今後、ASKA被告が直接、ファンに謝罪する日は訪れるのだろうか。<保釈VTR>

 ◆酒井法子(09年9月17日保釈)覚せい剤取締法違反(所持、使用)で逮捕、起訴されてから、拘置されていた東京湾岸署から40日ぶりに保釈された。保釈金は500万円。ブラウス、パンツ、パンプスすべて黒ずくめの姿で、深々とおじぎし、「これまで酒井法子を応援してくださった皆さん、本当にこのたびは申し訳ありませんでした」と目を潤ませながら謝罪した。その後、都内に移動して会見を開き「2度と信頼を裏切るようなことはしません」などと語った。会見後は精神面の治療のため都内病院に入院した。

 ◆押尾学受刑者(09年8月31日保釈)借りていたマンションの同室でホステスとMDMAを服用してホステスが死亡した事件が発覚。使用の容疑で逮捕されたが、保釈請求が通って、400万円を支払い、警視庁三田署から保釈。大声で「このたびはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪した。後にホステスを死なせた保護責任者遺棄致死罪で逮捕、起訴され、実刑判決確定。