元AKB48の女優大島優子(26)が連続ドラマに初主演することが16日、分かった。4月スタートのTBS系「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」(木曜午後9時)。堅気となったヤクザの就職先を世話する警察官という異色の役柄に挑戦する。多くの女優の意外な魅力を引き出してきた堤幸彦監督(59)とタッグを組み、飛躍を狙う。

 大島演じるヒロイン永光麦秋(ばくしゅう)は冷静で性格はきつく、暗さのある女性。ヤクザを憎むが、ヤクザをやめた男の就職先を世話する警察官という皮肉な設定だ。「普段の私と真逆です」と言うように、AKB48時代からおなじみの笑顔は封印し、異色キャラクターに挑戦する。アクションにも挑むなど新境地を切り開く。連続ドラマは初主演。「自信はないのですが、凝り固まらず、自分らしく楽しくできればいいなと思っています」と気負いはない。

 演出を手掛ける堤監督は多くの連続ドラマで、主演女優の意外な一面を引き出して、それぞれにとっての代表作を生み出してきた。99年「ケイゾク」は、連ドラ初主演だった中谷美紀(39)のユニークで軽妙な演技を引き出し、00年「トリック」では仲間由紀恵(35)のコメディーエンヌとしての才能を開花させ、女優として大ブレークさせた。10年「SPEC」も戸田恵梨香(26)を、がさつで毒舌の異色キャラクターに起用し、人気女優に押し上げた。いずれの作品も映画化され、ヒットを記録した。

 大島は13年「SPEC~零~」で堤監督の演出を受けている。「堤さんの作るキャラクターって濃いんです。私をどう遊んで、どう調理してくれるか楽しみ。人に引っ掛かるようなキャラクターを考えていきたい」と話す。堤監督は大島について「めちゃめちゃ勘がいい」と評価するが、「今回は、その勘の良さをあえて封印してほしい。眼光を使って本音が分からないような芝居をしてほしい」としている。

 大島は昨年6月のAKB48卒業以降、夢だった女優業に向き合っている。映画「紙の月」の演技で、27日発表の日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞候補になるなど、評価も高めつつある。堤マジックがちりばめられる「ヤメゴク」が女優として勝負作となる。

 ◆「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」

 通称「足抜けコール」と呼ばれる警視庁組織犯罪対策部の電話窓口「暴力団離脱者相談電話」が舞台。大島演じる永光は、ある出来事をきっかけに異動してきた。堅気になったヤクザの就職を世話するが、暴力団の脅しにひるまず戦う。暴力団から「離脱承諾書」を取る際「一筆、頂戴いたします!!」が決めゼリフ。脚本は「相棒」「名探偵コナン」「ATARU」などを手掛けた桜井武晴氏。