今年、芸能生活40周年を迎えた女優秋吉久美子(57)が癒やしの役で新境地を開いた。映画「不良少年

 3000人の総番(アタマ)」(宮野ケイジ監督、3月10日公開)で、少年たちを見守る喫茶店主で出演することが分かり、19日、都内で主演斎藤工(30)とともに日刊スポーツのインタビューに応じ、「人を楽しませるために、自分も楽しみながら演じていくこともいい」という発見についてなどを語った。

 秋吉が演じるのは、やくざ幹部の元夫からもらった喫茶店を営み、店に集まる不良少年たちを見守る女性の役だ。出演前は同作の撮影には「期待していなかった」と言うが、予想外に楽しかったという。

 「年取ると、見守る役とか、理解がある役とか、器が大きい役とか増えてくる。でも見守る役をどうしてもやりたいと思わないでしょう。今まで追い詰められたギリギリの役が多かったし。でも、現場に行ったら、学ラン姿の斎藤くんたちがわーっといて『かっこいい!』って。ウキウキしちゃいました。見守る役もいいもんだなと思いました。パラダイスでした」

 斎藤は「緊張しましたが、男子は秋吉さんのきれいさに参りました」とメロメロの様子だ。

 撮影は昨年11月だった。秋吉は出番は少ないものの、重要な役どころで、ケンカやアクション満載の同作では、唯一の癒やしのシーンといえるだけに、撮影時には、監督にもさまざまな提案をしたという。「空間と気持ちを共有できれば、いろいろとふくらませていってもいいと思うから」。イケメンに囲まれたこともあり、秋吉は「去年の中で一番楽しかった」と大満足。斎藤も「本当ですか!?」と喜んだ。

 撮影で、斎藤と寄り添った秋吉は「これだけでうれしいです」とニッコリ。今年の抱負を聞くと「いい男がいっぱいいる現場に行きたい。幸先いいですね」と目を輝かせた。【小林千穂】

 ◆不良少年

 3000人の総番(アタマ)

 70年代、全校生徒3000人中、半分が不良の東陽工業高。ケンカに明け暮れる鷹也(斎藤)晃希(窪塚俊介)は3年生ににらまれ、恋人の恵里子(須藤温子)も心配する。その中、ひろ子(秋吉)の喫茶店が鷹也たちがほっとできる空間だった。しかし、3000人の頂点を争う死闘に突入する。原作は遠藤夏輝氏の実話本「東京不良少年伝説」。