女優福田麻由子(18)が日仏合作映画に主演したことが17日、分かった。写真家と家出少女の触れ合いと葛藤、成長を描く「フレア」。大塚祐吉監督がメガホンをとり、撮影チームは日仏混合で編成された。福田は撮影を通して「映画は国境を超えると実感しました」という。今年8月にフランスで先行公開後、日本公開する予定。カンヌをはじめ、海外映画祭出品を目指している。

 「フレア」は、東京を拠点に自堕落な日々を過ごしていた40歳のフランス人写真家ジャンが、ふとしたことで福田演じる17歳の家出少女フレアと出会うことから始まる物語。フレアは写真家の作品に魅了され、アシスタントとなって支え始め、やがて心の中に恋心が芽生えていく。奔放な生活を続けるジャンに対し、ひかれながらも複雑な思いを抱えていく心理状態を演じなければならない難役だ。これまで「白夜行」「女王の教室」などのドラマや「日本沈没」などの映画で視聴者や観客の目を引きつけてきたが、さらなるステップアップを目指し、合作映画というハードな環境を選択した。

 撮影は今年1月中旬から物語の舞台となった東京を中心に行われた。脚本も手掛けた大塚監督がメガホンをとったが、撮影監督はフランス人。現場では英語、フランス語、日本語が飛びかった。合作映画に初挑戦の福田は「映画は国境を超えると実感して感動しました」と話す。さらに「これから語学を積極的に学ぼうと思います」とコミュニケーションの大切さも痛感したという。

 相手役は仏俳優バレンタイン・ボノム(32)。今後が期待される新進俳優だ。大塚監督もかつて、高倉健や故松田優作さん、マイケル・ダグラスらが共演した89年公開の米映画「ブラック・レイン」の撮影現場も経験している国際派。福田にとっては刺激の多い作品となった。今年の春に高校も卒業し、女優として新たなステージに入る。人生の門出のタイミングで新境地に挑む状況が重なったことに「1年前でも1年後でもない、今の自分がこの作品に出合えたことがうれしかった。今しかできない役だと思いました」と話している。

 製作陣はカンヌをはじめ国際映画祭での上映を目指している。

 ◆福田麻由子(ふくだ・まゆこ)1994年(平6)8月4日、東京都生まれ。04年「下妻物語」で映画デビュー。映画は「日本沈没」「Little

 DJ~小さな恋の物語」「ヘブンズ・ドア」「20世紀少年-最終章-ぼくらの旗」など。ドラマは「救命病棟24時」「女王の教室」「白夜行」などに出演。映画「桜、ふたたびの加奈子」が4月6日公開。趣味は音楽鑑賞。特技はピアノ。血液型B。161センチ。

 [2013年2月18日7時37分

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