KAT-TUN亀梨和也(27)の主演映画「俺俺」(三木聡監督)が海外公開されることが25日、分かった。公開が決定したのは、ロシア、シンガポール、台湾。ロシアは今夏、台湾は今秋に公開予定。この日、同映画が初日を迎え、東京・新宿ピカデリーで行われた舞台あいさつで発表された。亀梨は、内田有紀(37)加瀬亮(38)とともに登壇。俳優として本格的な海外進出に「すごい!

 メチャクチャうれしいです!」と声を上ずらせた。

 公開初日までにいち早く海外上映が決まったのは、海外映画祭での評価が大きかった。作品はオレオレ詐欺をした青年が増殖し、33人のさまざまな「俺」が現れる異色作。4月にイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭で上映され、観客賞を受賞した。

 製作側は海外公開決定について「過去にウディネで三木監督特集が組まれるなど注目度は高かったのですが、作品の完成度や観客の反応の良さに各国配給関係者が反応し、三木監督の作風と亀梨さんのKAT-TUNとしてのネームバリューが決め手になったのでは」と分析する。関係者によると、正式オファーに至っていないが、フランス、インドネシア、マレーシア、スペイン、ウクライナ、ブルガリア、デンマーク、ブラジルなどの配給会社が興味を示している。

 亀梨は「相当強気な発言ですみません」と前置きしながら、「目指せ、33カ国!」と映画にちなんだ国数を示し、「いろいろな国に増殖していってくれたらいいですね」と期待を寄せていた。

 ◆映画「俺俺」

 大江健三郎賞を受賞した作家星野智幸氏の同名小説の映画化。日常に不満を持ちながらも平凡な生活を送る青年が、なりゆきでオレオレ詐欺をしたことから、自分の知らない「俺」が増殖し、やがて「俺」同士が互いを削除しあうという異色サスペンス。主演の亀梨は「ミリタリーマニアの俺」「巨乳の俺」「全身タトゥーの俺」など20人以上のキャラクターを演じ分けた。