俳優国村隼(58)と西田敏行(66)が29日、都内で行われた映画「あさひるばん」(やまさき十三監督)初日舞台あいさつで“釣りバカ魂継承”を誓った。今作品は88年から09年まで22作続いた「釣りバカ日誌」シリーズの原作やまさき監督が手がけた、後継作ともいえる日本伝統の人情喜劇。西田は「釣りバカ」で共演した故三国連太郎さん(享年90)との思い出話を絡め後継作だと強調。国村らはシリーズ化を期待した。

 「あさひるばん」「釣りバカ日誌」両タイトルが書かれた大漁旗が、同監督から同級生トリオ役の国村と板尾創路(50)山寺宏一(52)に授与された。板尾が「監督は72歳ですけど、僕らが預かって2、3と毎年、授与を」と言えば、国村も「優勝旗みたいに毎回いただけるように」とシリーズ化への思いを口にした。

 西田は「釣りバカ」をほうふつとさせる、国村との釣り対決の場面について聞かれ三国さんとの思い出話を披露。「国村さんは釣りが趣味。僕はロケの時しか釣りしたことがない。亡くなったスーさんなんか『釣りなんかやらなくてもさ、魚は食べられるよ』と平気で言っていた」と三国さんのマネを披露。そして「日本人が持っていたい、ちょっとありがた迷惑みたいな優しさをグッと押し付ける感じがいとおしい」と同監督の作風が、日本映画伝統の人情喜劇路線を引き継いでいると強調した。

 国村は「映画を楽しむことが日常にあった、子どもの頃に慣れ親しんでいた映画を、作る側に回って出来たのは本当にうれしい」と感激した。【村上幸将】