17年の政治は、安倍晋三首相がいつ衆院解散・総選挙に踏み切るのかが最大の争点だ。先月で任期4年の半分が過ぎ、現段階では今秋が有力だが、一時「本命視」された年明けの解散総選挙も依然くすぶる。野党は電撃解散に備え、選挙準備に追われる年始だ。

 永田町では先月上旬、1月解散と「2月7日公示、19日投開票」の日程が浮上。ただ、首相は今月、トランプ次期米大統領との首脳会談など重要な外交日程を抱える。先月の日ロ首脳会談では領土問題が進展せず、内閣支持率は高いが、政権、自民党内に高揚感はない。首相は先月、解散について「頭の片隅にもない」と否定。地盤が弱い「安倍チルドレン」が多く、3分の2に達した議席数を次期衆院選で確保できる保証がないことも、解散のタイミングを難しくしている。

 ただ、蓮舫代表でも民進党の支持率が低迷しており、「今が好機」とみる与党関係者もいるという。「カジノ法案」採決でちぐはぐな対応が露呈した民進内で、今後の混乱が拡大する可能性もあり、首相は野党の動きも注視している。

 与党公明党との関係も、1つのかぎだ。カジノ法案には山口那津男代表らが反対。国政と都政は直接リンクしないが、都議会では自民との連立解消を宣言。従来の選挙協力が、変質する可能性も指摘される。

 酉(とり)年の衆院選で自民党は、93年は野党転落、05年は小泉劇場で大勝と、極端な結果が出ている。

 一方、今夏の都議選では、小池百合子都知事が、自民ベテランの選挙区に「刺客候補」を擁立する方針で、都議会再編は必至。国政も都政も、混乱の芽を秘めた1年になりそうだ。