東京都の小池百合子知事は6日、5日の千代田区長選で全面支援した現職が、トリプルスコアで圧勝した流れを受け、都議会自民党との天王山決戦となる7月の都議選(定数127)へ、強気の目標設定に転じた。事実上の「小池新党」といえる地域政党、都民ファーストの会を通じ、都議会での単独過半数(64議席)超えも目指し、同会から70人規模の公認候補を擁立する検討を始めた。全選挙区で候補を擁立する見通し。

 当初予定の30~40人は「多すぎる」との指摘もあったが、小池氏サイドは区長選の結果を受け「小池印」の候補なら民意を得られやすいとして、上方修正は十分可能と判断。適性や身体検査を徹底させた上で、「量と質」を両立させたい意向だ。

 小池氏はこの日、数には言及しなかったが、「さまざまな可能性を求めたい。分析しながら確実なところを取り組みたい」と、拡大路線を否定しなかった。

 同会は、区長選圧勝の流れに乗って、速攻で第2次公認も発表。都知事選で自民党を除名された「7人のサムライ」の尾島紘平、村松一希の両練馬区議と、元都議で、民進党で出馬を予定しながら離党届を提出した増子博樹、伊藤悠両氏の4人で、1次公認4人と合わせ計8人。今後も「希望の塾」から選抜した塾生や目玉候補を順次発表する。

 尾島、村松両氏は「目玉刺客」を念頭に、選挙区は調整中。増子氏は前回自民がトップ当選の文京区(定数2)、伊藤氏は前回落選した目黒区(同3)で出馬する。小池氏は民進党全体との連携を否定しているが、「小池塾」にも入塾した増子氏は、取材に「けじめのために離党届を出した」と釈明した。

 民進党ではほかの公認予定者の「離党ドミノ」が続くとの見方が強い。野田佳彦幹事長は、「そうならないようにしないといけない」と危機感を示した。【中山知子】