左折して2号機のタービン建屋の横を移動。原子炉建屋から少し離れると線量は低めだが、手元の簡易線量計は毎時30・87マイクロシーベルト。建屋の手前では、防護服姿の作業員数人が会話する様子が見えた。周辺住民を避難させるほどの高線量の発信源は、奇妙に落ち着いた雰囲気だった。

 視察の起終点になった免震重要棟には、原発敷地内のモニタリングポストのデータを一括表示する液晶テレビがある。1、2号機の山側に隣接する排気筒西側で、最高の毎時1507・4マイクロシーベルトを測定していた。東電広報は「なぜこんなに高いのか、原因が分かっていない。作業員が近づけないので、除染も進んでいない」と話した。

 9日早朝には、調査ロボット「サソリ」の投入に備え、進路を掃除するロボットが2号機で稼働。そのカメラ映像の乱れから、過去最大値の毎時650シーベルトの放射線量が推定された。ロボットは5メートル進む予定だったが、映像が暗くなり、1メートル進んだところで後退。高線量などの影響で故障したとみられる。