今日8日は成人の日。成人式を迎えた女子大生社長の椎木(しいき)里佳さん(20)は、中学3年の15歳でマーケティング会社「AMF」を創業した。成人になる5年も前から社会でもまれ、戦ってきた。大人の仲間入りをしたことの自覚、仕事についての考え方、日本の今とこれからなど、率直な思いを聞いた。

 -20歳は大人の仲間入りといわれる

 椎木さん 20歳になって1カ月半。個人的に劇的な変化はなく、お酒が飲めるようになったくらいですね。18歳で選挙権を持った時は、大人の一員というより、社会の一員になれた実感がありましたが。

 -大人に対して持っていた印象は

 椎木さん 年齢的には大人だけど、大人じゃないような人もいる。一概に大人とか子どもとかって、関係ないと思っていました。

 -思い描いていた20歳の自分と、今の自分を比較すると

 椎木さん 中学で考えた20歳のゾーンには全然、届いていない。手帳には「起業して3週間でスーパースターになる」と書いていました。なれるわけがないですけど、理想が高すぎた。

 -自分たちはどのような世代だと思うか

 椎木さん “尽くし世代”だと思います。世のため、人のために尽くすという思いが強い。友人にもお金を稼ぎたい、自己実現したいというより、人に喜んでもらえる仕事をしたいと思っている子が多いですね。

 -“尽くし世代”の背景には2011年の東日本大震災があるのか

 椎木さん 私は当時13歳。一番多感な時期に震災があり、考え方がガラッと変わったという子はいっぱいいます。精神、人格形成に影響していると思います。ボランティアなど人に何かをするのが好きで社会の役に立ちたいと考える、いい世代。現実的であまり浮足立っていない。

 -社長としての目標は

 椎木さん 大学を卒業する20年までに、株式上場したい。一部から「何の意味がある」と言われるんですけど、最年少上場にインパクト、影響力がある。25歳1カ月という最年少上場を女性が塗り替えるのは、世界的にもビジネス的にもやった方がいいかな。

 -異業種への挑戦は

 椎木さん マーケティングは強み。女子中高生の独自のネットワークを生かしながら、女子大生や男性を加えてもいい。個人的には別の事業もやりたい。

 -これからの日本を、どう見ているか

 椎木さん 私たち“尽くし世代”が、責任を持つ30、40代になっていく。楽しみだし、期待しています。若い世代が不安とか言っちゃダメだと思います。

 -今後は、中高生と年齢が離れていく

 椎木さん 女子中高生の生の声が一番という考え方は、私の年齢に関係なく、ずっと変えないつもり。上場はゴールじゃない。そこをフックにして、アジアの女性の代表になっていきたい。【聞き手・村上幸将】