田中真紀子元外相(74)は14日、都内の日本外国特派員協会で会見し、安倍晋三首相の北朝鮮対応など外交姿勢について「国内政治が困ると拉致問題。4月に米国に行くのも、森友の問題があるからだ」と指摘した。政権運営が行き詰まった際、外交を利用しているとして厳しく批判した。

 首相が02年、内閣官房副長官として小泉訪朝に同行した際の対応も批判。「(拉致被害者が)死んだといわれ、なぜそのまま帰ってきたのか。金正日氏に会いながら、なぜもっと頑張らなかったのか。チャンスを使わなかった。今回、トランプ大統領に(北朝鮮の行状を)言いつけに行くのは違う」。訪米や、日朝首脳会談を模索する動きがあることなどを念頭に、「旅費がもったいない。行かなくて結構」とも主張した。

 森友問題について「ずっと騒ぎになるのを待っていた」と述べ、「訪米する時間があれば、森友、加計、財政再建をやればいい。相変わらずばかだと思った」と、首相の酷評を続けた。