財務省の福田淳一事務次官(58)は19日、テレビ朝日が女性記者のセクハラ被害を公表したことに対し、依然として自身によるセクハラを否定した。「全体をみればセクハラに該当しないことは分かるはず」と持論を展開した。しかし、セクハラは事実とするテレ朝はこの日、正式に財務省に抗議した。

 19日未明の会見から一夜明け、テレビ朝日社内には動揺が広がっている。落ち込んだ様子の女性社員もいるという。取材に応じた関係者は、被害を受けた女性記者の精神的ショックを案じた。ただ、告発に至る経緯については「他に方法があったのでは」と感想を述べた。直属の上司への相談だけでなく、「新潮社に情報提供する前に、社内のコンプライアンス部門や労働組合などしかるべき場所に報告する方法はあったのでは」と話した。他の関係者らは「女性記者はセクハラ発言の証拠を残すため、やむを得なかったかもしれない」と前置きした上で、1対1のオフレコ取材でレコーダーを使った手法が、業界全体への警戒心につながる恐れがあり、取材に支障が出る可能性があると、懸念する声もあった。