サッカーのワールドカップ(W杯)で日本代表がポーランドに敗戦も、コロンビア対セネガル戦の結果で、辛くも2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた29日未明、ダイブで有名な大阪・道頓堀の戎橋では、これまでと同様に橋が歓喜で揺れ、恒例のダイブが行われた。

 試合中は普段と変わらぬ戎橋だったが、試合終了とともに、興奮冷めやらぬファンが続々集結。多くのサポーターで橋は埋め尽くされ、通行不能に。「オーニッポン!」のかけ声と共に、一斉に飛び跳ね、セネガルとの第2戦と同様、橋が揺れた。周囲からは「怖い怖い」「地震みたいや」という声も。直後には、ジャンプをあおる声が増え、試合終了から約30分後、1人目のダイバーが道頓堀川へ着水した。

 中には、自ら音楽機器を持ち込み、BGMを流しながら飛び込む人や、3人の集団ダイブも。飛び込んだ25歳の男子学生は「最高です!」と一言。同じく飛び込んだ19歳男子学生は「めっちゃ気持ちいい。勢いで飛び込んじゃいました」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 橋の上は、大勢が欄干に上り、コールやダイブをあおり、橋の下では、ロケット花火を打ち上げ、見物人に当たりそうになるなど、危険な状態だった。30人以上が次々に飛び込み、なぜか六甲おろしの大合唱も発生。戎橋周辺は無法状態のテーマパークと化していた。

 セネガル戦から人数を倍の80人に増やし、警備にあたった大阪府警だが、大勢のサポーターと見物人が集まり、どこに警備員がいるのかも判別しづらい状況。橋の欄干の一方は、警備で立ち入れなくなっていたが、反対側でダイブが行われた。府警と市は、セネガル戦後に「飛び込み危険」や「飛び跳ねないで」といった注意喚起のパネルを欄干に設置していたが、効果は全く見られなかった。