高校野球、飛龍(静岡)の監督、部長、コーチ計3人が、公式戦での執拗(しつよう)な抗議を理由に、同校から解任されたことが6日、分かった。

 問題は、9月30日の秋季県大会準々決勝、常葉大橘戦(清水庵原球場)で起きた。球場にいた高野連関係者によると、9回裏、飛龍の攻撃中、右中間フェンス際に大飛球が上がった。審判はフェンスを越えていないインプレーと判定したが、本塁打と勘違いした打者走者がスピードを緩め、三塁でタッチアウトになった。直後、監督らが判定を巡って審判団への抗議を開始。選手をベンチに引き揚げさせるなどし、試合が22分間中断した。長年、高校野球に携わってきた同関係者も「こんなことは初めて」と話す異例の騒動になったが、試合は再開して飛龍は0-3で敗退。現段階で高野連からの処分はない。

 だが、騒動には余波があった。この試合をスタンドで観戦していた井出啓之校長(61)が「(執拗な抗議は)尋常ではないこと」と重く見て、監督ら首脳3人を野球部の指導から外す措置を取っていた。現在は、岩崎暢明副部長(33)が新監督として指揮しているが、3人の解任に納得しない声も噴出。ネットで解任撤回の賛同者を求める動きが出ている。

 同校は2015年夏の県大会準優勝など、甲子園出場を狙える強豪として知られる。井出校長は日刊スポーツの取材に「(監督らは)熱くなった部分はあると思いますが、教育上で良くないことですし、(指導から)外すことにしました」と話している。