結論から書けば「ツキがないな」という感じが強いのだ。今季2度目の零封負けで広島にカード負け越し。15日は栗林良吏に1安打に抑え込まれての無得点だったが、この日は5安打を放ったものの0点だ。
そんな中で特に“厄日”かと思ったのは中野拓夢である。虎党のため息が充満したのは1点を追う8回だろう。左前打で出塁した中野が一走だった1死一塁。ここで主砲・佐藤輝明の当たりは左前に落ちる…と見えたが左翼手のグラブに収まった。スタートしていた中野はこの時点ですでに二塁を回っており、これ以上ないぐらいの封殺でゲッツーに終わる。
「テルで守備位置が下がっているというのがあって。落ちるかなと決めつけて行ってしまった部分はあったかなと」。中野はそう反省した。見ている側からすれば「もっと打球を見極めて…」などと言いたい気分も分かるがギリギリのプレーの中でこれは責められないかもしれない。
守備でもめずらしいプレーがあった。4回1死二、三塁で坂倉将吾の打球は前進守備を敷いていた中野へのゴロに。普通は三走は止まる場面なので一塁へ送り、アウトを増やすところ。しかし走者がタダモノではなかった。
三走・菊池涼介は「二塁手の心理はどこまでも分かるぜ」とばかり、中野を誘うように本塁へ走る動きを見せた。これにつられ、中野は本塁へ送球。1死満塁とピンチを広げてしまう。投げた直後に「しまった」という表情だ。菊池がうまかった? の質問に「そうとしか言いようがないです。惑わされてなかったら(本塁に)投げていないんで」。失点にはつながらなかったがミスを振り返った。
ツイていないときはそんなものという感じである。打開策は考えなければならないが、いいときばかりのはずはないし、ここは辛抱というところか。指揮官・藤川球児に聞いてみた。ストレスがたまる?
「皆さん、いっしょじゃないですか。どこのチームの監督さん、コーチ、選手もそうだし。ペナントレースですから」。少し考え、淡々とそう話したものだ。球児が意図していたかどうかは分からないが、この「皆さん」の中には虎党も入るはずである。
ヤクルトは勝ってゲーム差は再び「2」に広がった。苦手の交流戦まであと2カード、なんとか流れを取り戻したい。(敬称略)
【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




