こちらは再来年だ! 早くも2020ドラフトの主役への予感が漂う。東海大相模(神奈川)の西川僚祐外野手(1年)は、すでに高校通算30発のスラッガーだ。「夏は思うように体が動かなかった。最近やっと打率が上がってきました」と苦笑いしながら、その数字は驚異的だ。

記録更新も夢ではない。高校史上最多とされる111本塁打の早実・清宮(現日本ハム)は高1の年末時点で22本。西川はすでに8本上回るペースだ。西川は「相模で歴代1位の大田泰示さんの通算65本は、確実に超えたい」と掲げるも、そこは高2時点でのクリアも見込めそう。右へ流してのサク越えもできる大砲だが、111発については「そこは大変です」と笑って流した。

門馬敬治監督(49)は「とにかく明るい」と褒め「今後スランプもくるでしょう。難しいことへの努力をどれくらいできるか」と、逸材の高校2年目に期待する。30日までの冬季練習では未知の三塁守備にも挑み、泥にまみれている。

長嶋茂雄氏のお膝元・佐倉で中学時代に名を上げ、巨人原監督、日本ハム大田と続く“サガミの4番サード”の系譜にも加わろうとし、その流れも自覚している。「ただ、自分はまだ甲子園に出られていない。自分が打って勝てるように」と西川。「打球もまだまだ飛ばせると思う」と進化を期待させた。【金子真仁】

◆西川僚祐(にしかわ・りょうすけ)2002年(平14)4月19日、千葉・船橋市生まれ。古和釜小1年時に「薬円台リトルスター」で野球を始め、古和釜中では「佐倉シニア」に所属。2度の全国優勝を果たし、東京ドームの右翼席にも本塁打を放った。186センチ、94キロ。右投げ右打ち。