和田阪神を支えたコーチ陣が大刷新されることが14日、分かった。1軍から中西清起(53)山口高志(65)両投手コーチのほか、山脇光治外野守備走塁コーチ(53)が退任となる見通しで、2軍スタッフも刷新は避けられない方向。今季は優勝を宿命づけられながら9月に失速した。10年間栄冠から遠ざかっていることを受け、抜本的な構造改革が始まった。

 大失速でのV逸を受けて球団が組織を一から作り直す。前日13日に和田監督の退任会見が終わったことを受けて、フロントは急ピッチでコーチ陣の再編に入ることが判明した。

 大刷新の方針が固まっていた通り、この日までに1軍投手部門を預かる中西コーチと山口コーチがユニホームを脱ぐ方向となった。中西コーチは04年に就任し、12年間投手陣の指導にあたってきた。05年に藤川、久保田、ウィリアムスの最強救援トリオ「JFK」の構築に貢献。また、12年ドラフト1位藤浪の育成を担当し、黄金ルーキーの1年目からサポートしていた。山口コーチはブルペン一筋。藤川のブレークに貢献するなどチーム強化に尽力した。

 08年から1軍コーチを務め、データ収集などで力量を発揮していた山脇コーチのほか、2軍からは八木2軍打撃チーフコーチや吉田バッテリーコーチも退任となる可能性が高いという。今季は夏場に1カ月以上、首位に立って優勝争いを展開しながら、9月に失速。V逸の憂き目にあった。毎年のようにシーズン終盤に息切れする危機的な状況で、フロントも抜本的な改革に乗り出した。退任するコーチには、近日中に通達される見込みだ。

 すでに今シーズンの打撃不振の責任を取って、関川打撃コーチが今季限りでの退団を申し出て、了承されているほか、風岡守備走塁コーチも今季限りで退団する意思を固めている。1軍11人のコーチのうち、大量5人が退任する可能性がある。高橋光信打撃コーチやトーマス・オマリー打撃コーチ補佐らの去就も近日中に決まる見通しで、今季、最後まで優勝争いを演じてきた和田体制が解体されることになる。