高熱との戦いが新人王への道を開いた。中日京田陽太内野手(23)が18日、プロ1年目の秘話を明かした。6月の交流戦で39度の熱がありながら3日間で計8安打。“難所”を乗り切ってレギュラーを死守し、最後まで駆け抜けた。この日は多忙の間を縫ってナゴヤ球場で自主トレを行った。

 バットを握ると表情が一変する。京田は気持ちよさそうに汗をぬぐった。

 京田 今はとにかく野球がしたいです。もう体は十分休みました。イベントは多いですが、体力より気疲れですね(笑い)。

 1年目から141試合に出場し、侍ジャパンにも参加。球団行事、出身チームへのあいさつと超多忙。退寮したため、時間を見つけて球場に来ている。動きに影響はないというが、体重は4キロ増えて83キロに。

 -それにしてもタフ。風邪をひいたことは

 京田 そう見えていたならよかったです。もう時効ですが、6月のロッテ3連戦(ZOZOマリン)は39度の熱があった。コーチに言ったら試合に出してもらえなくなるので黙っていた。早出練習にも参加しました。フラフラでした。薬を飲んで、ヨーグルトを飲みまくっていました。

 -又吉が完封勝ち、大野が涙の初勝利。印象的な戦いの裏で人知れず…

 京田 あまり記憶がなくて。早くホテルに帰って寝たいと(笑い)。でもあの3試合で8安打も打てた。乗り切れたのが大きかった。体調管理が大事だと心から思いました。ポイントだったかもしれません。

 次の9日オリックス戦(京セラドーム大阪)も2安打し、ドラフト制後初の新人の6試合連続マルチ安打。全国区になった。

 -1年を振り返り

 京田 前半はミスが多かったけど、後半は落ち着いて守れるようになった。井端さん、荒木さんのときは二遊間に飛んだら投手が打球を見ずにベンチに帰ったと聞きます。僕もそういう選手になりたい。来年もがむしゃらにルーキーのような気持ちで、遊撃のポジションを奪うつもりです。