復帰を祝う大花火大会だ。首位広島は、開幕直前に左ふくらはぎを痛めた新井が待望の1軍合流。復帰を祝うかのように打線が爆発した。マツダスタジアム10年目で初となる1試合5本塁打。今季最多14得点の猛攻で阪神を粉砕した。

 1回に6得点の猛攻。5番一塁で即スタメンの新井は2回、2死二塁で左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち「先に点を取ってくれたから、打たせてもらった感じ」。今年の正月に「今年は優勝させませんよ」と年賀状が届いた能見を粉砕した。歓迎パーティーは止まらない。特に菊池とバティスタは1回、7回と2度の2者連続アーチ。山本浩二と衣笠祥雄も成し遂げていない、球団史上初のコンビ弾となった。

 試合前から“新井節”全開だった。練習前の野手円陣では「新聞で野間選手の高打率を見るたびに下痢が止まりません。よろしくお願いします」と好調野間をいじり、笑いを誘った。大勝後に菊池は「台風の目の新井さんが帰ってきたので、何か起こると思っていた」。チームの1試合5発は、16年4月26日のヤクルト戦以来だが、それは偶然にも新井が2000安打を記録した試合だった。緒方監督も「新井が戻ってきて打線が活気づいた」と、絶大な効果にうなった。【大池和幸】